インドネシア,ジャワ島西端部の町。別名バンタムBantam。ジャカルタの西70km,同名湾の湾奥に位置する。スンダ海峡に近いため,13世紀以後この地方のパジャジャラン王国の港として栄えた。16世紀にはハサヌッディンのもとに新たにイスラムのバンテン王国の都となり,当時おこってきた東西貿易の中継港として繁栄した。ことに西ジャワやスマトラ南部のコショウはここから独占的に積み出された。1596年,オランダ最初の東インドへの船隊が到着したのもこの港である。以来オランダ,イギリス,ポルトガルなど各国の商館が建設され,オランダはとくに権益を守るため海岸にスペルウェーク城を築いた(1684)。こうした歴史をもつ土地であるが,その後港の機能はバタビア(ジャカルタ)に奪われ,バンテン王国も滅び,今は当時の遺跡のほかは何もなく,地方的寒村になってしまった。ジャカルタからスマトラへの連絡港メラクへ至る鉄道が通る。付近のスンダ海峡沿いの海岸は休養地となっている。
執筆者:別技 篤彦
偶蹄目ウシ科の哺乳類。ヤギュウ(野牛)の1種で,ミャンマー,タイ,インドシナ,マレー半島,ジャワ,ボルネオに分布。体長180~225cm,尾長65~70cm,肩高130~165cm,体重500~900kg。体はがんじょうで四肢は比較的長く,尾はかかとよりも下に達する。角は雌雄にあり,左右の角の基部の間は角質の甲板でつながる。体色は雄の成獣で黒色,雌と若雄で赤褐色または黄土色で,四肢の下半部と後肢の上部後面は白色。森林に雌と子で2~40頭ほどの群れをつくってすみ,ふつう1頭の雄が加わる。他の雄は交尾期以外は単独か雄だけの小群でくらす。おもに夜行性で,柔らかい草,木の葉,若芽,果実などを食べ,日中はほとんど休息している。妊娠期間は9.5~10ヵ月で,1産1~2子が生まれる。性質は温和で,しばしば家畜化される。家畜のウシとよく交雑し,雑種は乳をよく出し,肉質がよいためジャワ島では家畜の雌ウシを森に放つ習慣がある。
執筆者:今泉 忠明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。ジャワ島、ボルネオ島、マレー半島、ミャンマー(ビルマ)の森林地帯に生息する。大形の動物で、雄で体長3メートル、体高1.5メートル、尾長85センチ、体重700~800キログラムに達する。雌はやや小形。角(つの)は雌雄いずれにもあり、長さ50~60センチメートルほどである。体色は、雄で黒褐色、雌や幼獣は淡褐色、臀部(でんぶ)に白色斑(はん)があり、四肢の下方は白色。森林性の動物で、8~20頭の群れをつくり、草、樹葉、果実などを食べる。妊娠期間は270~300日で、1産1子。子は茶褐色。生後2年ほどで繁殖可能となる。寿命は10~15年。
[中川志郎]
出典 小学館の図鑑NEO[新版]動物小学館の図鑑NEO[新版]動物について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…インドネシア,ジャワ島西端のバンテンBanten港を中心として1527年ごろから1813年まで存続した王国。ヨーロッパ文献にはバンタムBantamと記される。…
…世界各地で乳用,肉用,役用などに飼われる家畜牛(イエウシ)で,ヨーロッパ系とアジア系(コブウシ系)がある。ウシはまた,バンテン,ガウア,ヤクなどの野生牛を含むウシ属Bosの総称,またはさらにバイソン,スイギュウを含むウシ亜科Bobinaeの総称ともされる。狭義のウシ(イエウシ)は肩高90cm,体重250kg以下の小型のものから肩高165cm,体重1450kgに及ぶ巨大なものまであり,形態は変化に富むが,すべて後述のウシ科ウシ亜科の特徴を備えている。…
※「バンテン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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