ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴセット」の意味・わかりやすい解説
ゴセット
Gosset, William Sealy
[没]1937.10.16. ビーコンスフィールド
イギリスの統計学者。オックスフォード大学のウィンチェスター・カレッジとニュー・カレッジに学ぶ。ダブリンのビール製造会社に入社 (1899) 。 1906年ロンドンのユニバーシティ・カレッジに派遣され,K.ピアソンのもとで研究。この数年間はゴセットが重要な論文を発表した時期で,研究論文はすべて,ビール醸造という実際問題から生れ,Studentのペンネームで書かれた。その最も有名なものは"The Probable Error of a Mean" (1908) である。彼は小標本に対しては標本平均が正規分布しないことに気づき,いわゆるt分布を導入した。これは 20年代,30年代における精密標本分布の理論的研究の発端をなすものであり,その意味で,彼は現代の推測統計学の開拓者の一人にあげられる。
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