推測統計学(読み)すいそくとうけいがく

精選版 日本国語大辞典 「推測統計学」の意味・読み・例文・類語

すいそく‐とうけいがく【推測統計学】

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デジタル大辞泉 「推測統計学」の意味・読み・例文・類語

すいそく‐とうけいがく【推測統計学】

推計学

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百科事典マイペディア 「推測統計学」の意味・わかりやすい解説

推測統計学【すいそくとうけいがく】

推計学とも。観察された集団のみを扱う記述統計学に対し,観察された集団を母集団から抽出された標本とみなし,これから確率法則に基づいて母集団の諸性質を推論する方法,またその方法の研究をいう。W.S.ゴセット小標本理論端緒に,R.A.フィッシャーにより確立された。標本から母集団の母数を推定する推定論(一つの推定値を求める点推定と,母数がある確率のもとで存在する区間を推定する区間推定信頼度)がある)と,母集団に関するある仮説成否を判定する検定論仮説検定)がある。応用面として標本調査,品質管理,実験計画法等があり,世論調査,製品検査,医薬効用,教育・心理関係など,自然・社会科学にわたり多方面に利用される。→統計学
→関連項目抜取検査

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「推測統計学」の意味・わかりやすい解説

推測統計学
すいそくとうけいがく
stochastics; inductive statistics

統計分析にあたって部分から全体を推測する学問。統計的観察の対象となるものの集合を母集団というが,その一部を観察して作成した標本の性質に確率論を応用することにより,母集団全体の性質を推測する手法。 1908年の W.S.ゴセットの t 分布の発見を契機として発展し,R.フィッシャーにより体系化された。推測統計学の発展により,標本から得られた推定値の誤差の評価や統計的仮説検定が客観的に行えるようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の推測統計学の言及

【サイバネティックス】より

…いずれにせよ,非線形現象というそれまでの科学が避けて通ってきた対象に取り組んだことの意義はきわめて大きい。 第3は,確率空間で統計理論を展開したことであって,これによって19世紀以来育ってきていた推測統計学が大きく発展させられた。この点でサイバネティックスがJ.W.ギブズの統計力学を受け継いだものであることは注目しておかなければならない。…

【数理統計学】より

… これまでは標識として,ある量の測定値を例として説明してきたが,ほかにも男女の出生率のように,男児106対女児100という比率でほぼ一定していて集団的規則性をもつものについても,視点を変えてみれば,同様に記述統計学の対象とすることができる。
[推測統計学]
 ピアソンの研究は記述統計学の完成に大きな貢献をしただけでなく,それから自然に母集団の概念が導入されるような新しい段階にまで到達することができた。母集団とは観測可能な個体からなる集団,あるいは人為的にそのようにみなされる対象であって,それから観測のため抽出された個体,あるいは試行の結果は母集団の特徴を伝える標本である。…

【統計学】より

…理論統計学の主要な分野は統計的データの分析法,および統計データの作成法の二つからなる。前者は狭義の数理統計学と呼ばれるものであり,それは統計データを整理要約する方法を考察する記述統計学と,確率モデルを前提にして,データから対象における未知の要素についての判断を導く方法を与える推測統計学の二つの分野からなる。記述統計学は度数分布平均標準偏差相関などを扱う。…

※「推測統計学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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