ごみそ(読み)ゴミソ

デジタル大辞泉 「ごみそ」の意味・読み・例文・類語

ごみそ

青森秋田県などに多い祈祷きとう卜占ぼくせん者の一。多く既婚女性依頼をうけて神前祈祷などを行う。「いたこ」のように目が不自由でなく、師匠にもつかず、特別の用具も持たない。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ごみそ」の意味・わかりやすい解説

ごみそ

津軽を中心にした青森県,秋田県北部,北海道南部に多い祈禱卜占を業とする巫者で,ゴムソ,ゴムソウとも呼ばれる。この地方で同じ業態いたことともにカミサマと総称されているが,イタコと違い,ホトケオロシはせず,また,目あきの者が多く,女だけとは限らない。入神は,ある日突然に神あるいは霊感を体得したことを契機とし,イタコのように師匠に弟子入りして修業を積むのとは異なる。またイタコのように〈いらたか念珠〉,弓など定まった携帯用具を持たない。依頼を受けると太鼓をたたきながらもろもろ神仏を降ろし,霊感を得て,問題に対する判断を下す。各自の祭壇には,自ら感得した守護神仏をはじめ,天照大神,稲荷観音,山の神,弘法大師,八幡,不動,オシラサマなど諸神をまつる。病気祈禱に加え,実際にもみ療治,灸を行うゴミソもいる。第2次大戦後は出雲大社教など教派神道から免許を受ける傾向が顕著で,教団組織を形成している。
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世界大百科事典(旧版)内のごみその言及

【シャマニズム】より

…シャマニズムとは通常,トランスのような異常心理状態において超自然的存在(神霊,精霊,死霊など)と直接に接触・交流し,この間に予言,託宣,卜占,治病,祭儀などを行う人物(シャーマン)を中心とする呪術・宗教的形態である。〈シャーマン〉の語はツングース系諸族において呪術師を意味する〈サマンšaman,saman〉に由来するとする説が有力である。ほかに〈沙門〉を意味するサンスクリットの〈シュラマナśramana〉やパーリ語の〈サマナsamana〉からの借用語であるとか,ペルシア語の〈シェメンshemen〉(偶像,祠)からの転化語であるとする説もある。…

※「ごみそ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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