津軽を中心にした青森県,秋田県北部,北海道南部に多い祈禱・卜占を業とする巫者で,ゴムソ,ゴムソウとも呼ばれる。この地方で同じ業態のいたことともにカミサマと総称されているが,イタコと違い,ホトケオロシはせず,また,目あきの者が多く,女だけとは限らない。入神は,ある日突然に神あるいは霊感を体得したことを契機とし,イタコのように師匠に弟子入りして修業を積むのとは異なる。またイタコのように〈いらたか念珠〉,弓など定まった携帯用具を持たない。依頼を受けると太鼓をたたきながらもろもろの神仏を降ろし,霊感を得て,問題に対する判断を下す。各自の祭壇には,自ら感得した守護神仏をはじめ,天照大神,稲荷,観音,山の神,弘法大師,八幡,不動,オシラサマなど諸神をまつる。病気祈禱に加え,実際にもみ療治,灸を行うゴミソもいる。第2次大戦後は出雲大社教など教派神道から免許を受ける傾向が顕著で,教団組織を形成している。
執筆者:佐野 賢治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…シャマニズムとは通常,トランスのような異常心理状態において超自然的存在(神霊,精霊,死霊など)と直接に接触・交流し,この間に予言,託宣,卜占,治病,祭儀などを行う人物(シャーマン)を中心とする呪術・宗教的形態である。〈シャーマン〉の語はツングース系諸族において呪術師を意味する〈サマンšaman,saman〉に由来するとする説が有力である。ほかに〈沙門〉を意味するサンスクリットの〈シュラマナśramana〉やパーリ語の〈サマナsamana〉からの借用語であるとか,ペルシア語の〈シェメンshemen〉(偶像,祠)からの転化語であるとする説もある。…
※「ごみそ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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