改訂新版 世界大百科事典 「サイイドエジェル」の意味・わかりやすい解説 サイイド・エジェル (賽典赤)Sayyid Ajall生没年:1211-79 中国,元初の武将,行政官。本名シャムス・アッディーン(贍思丁),別名ウマル(烏馬児)といったが,預言者ムハンマドの子孫を示す称号,サイイドで呼ばれた。中央アジアのブハラ出身でチンギス・ハーンの西征のときに服属し,以後世祖フビライまでの5代に仕えた。1273年(至元10),雲南行省平章政事となると,元以前は中国に属さなかった雲南の経営開発につとめ,雲南回民の基を開いた。執筆者:杉山 正明 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「サイイドエジェル」の意味・わかりやすい解説 サイイド・エジェルさいいどえじぇる / 賽典赤Sayyid Ajall(?―1279) 中国、元朝の色目(しきもく)人官僚。陝西(せんせい)、四川(しせん)方面の制圧、統治に従事し、1271年には襄陽(じょうよう)攻撃にも参加した。73~74年ごろ雲南行省(こうしょう)平章政事に任命され、雲南統治機関の要職についた。以後数か年、現地の支配層の協力を得つつ、屯田の開設、水利開発、孔子廟(びょう)、学校の建設などを進め、雲南統治の安定を図ったという。その子孫にも、雲南方面の官職についた者が少なくない。[海老澤哲雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by