フランスの首都パリ、モンマルトルの丘に建つ、ロマネスク様式とビザンチン様式が融合した白亜の教会堂。モスク(イスラム寺院)のようなドームを持つ。この寺院はギベール・パリ大司教によって建設が提起され、建築家ポール・アバディ(Paul Abadie)のデザインにより1875年に建設が始まり、40年後の1914年に完成した。1870年の普仏戦争と、その翌年のパリコミューンの犠牲者の鎮魂のため計画されたといわれる。礼拝のために一般に開放されたのは、第一次世界大戦後の1919年のことである。エッフェル塔とともにパリ市内を見晴らせる観光名所として、完成直後から注目を集めた。◇「サクレクール寺院」(Basilique du Sacré-Cœur)は、「聖なる心臓」(聖心)を意味する教会で、フランス各地やベルギーのフランス語圏などに多数ある。