( 1 )中世後期に成立した。敬意を強める助動詞「さす」に尊敬の補助動詞「ます」が付いたものとする説は、「ます」が既に中古においてほとんど用いられなくなっているところから、考えにくい。中古以降、口頭語として広く用いられたと思われる「させおはします」の転と見る方が自然であろう。なお、近世初期までは「させます」から転じた「さします」の方が多く用いられた。
( 2 )「ロドリゲス日本大文典」によれば、都で用いられる語で、「らるる」を使うのと同程度の敬意を表わし、下(しも)では「させめす」を用いたという。