改訂新版 世界大百科事典 「サラダナ」の意味・わかりやすい解説
サラダナ
lettuce
Lactuca sativa L.
葉を生食するキク科の一,二年草。日本で昔から栽培されているチシャや最近洋菜としてサラダなどに多く用いられる結球性の玉レタスは,植物学的には同一種で,地中海東部地域で栽培化された。日本では,この玉レタスのなかで結球性が弱く頭部が完全に包合しない品種群をとくにサラダナと呼び,結球性の強いふつうの玉レタスとは区別している。日本への導入は明治・大正の時代からであるが,ふつうの玉レタスほどには消費は伸びていない。比較的高温に耐えるので平たん地の夏季に栽培できる。生育期間が短いので栽培の回転は早い。養液栽培に向くところから養液プラントによる栽培が盛んになり,一部で大型化されている。しかし荷傷みしやすいので,栽培は都市周辺に限定される。葉は円形で葉縁には欠刻やしわが少なく,深緑ないし緑色で,やわらかく美味である。サラダとして生食利用するほか色どりをよくして料理をひきたたせるため皿に敷いて用いる。
→レタス
執筆者:高橋 文次郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報