サンレオン(その他表記)Arthur Saint-Léon

改訂新版 世界大百科事典 「サンレオン」の意味・わかりやすい解説

サン・レオン
Arthur Saint-Léon
生没年:1821-70

フランスの舞踊家,振付家。14歳のときから舞踊家,バイオリン奏者としてヨーロッパ各地で活躍。1847年名舞踊家F.チェリトと結婚,共演する。二人を主役として自作大理石の娘》(1847),《悪魔のバイオリン》(1849)をパリオペラ座上演後者では踊りながらバイオリンを奏した。ペテルブルグのマリインスキー劇場のメートル・ド・バレエをつとめ(1859-70),同時にパリ・オペラ座の客演振付家でもあった。ペテルブルグでは《せむしの子馬》(1864)が最初のロシア民話バレエとして称賛され,パリでは《泉》(1866),《コッペリア》(1870)が成功した。舞踊記譜法に興味をもち,自作の《酒保の女》(1844)の記録を残したほか,《ステノコレグラフィー》(1852)を著した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンレオン」の意味・わかりやすい解説

サン・レオン
さんれおん
Arthur Michel Saint-Léon
(1821―1870)

フランスのロマンチック・バレエ時代の舞踊家、振付者。パリ生まれ。ペローの『オンディーヌ』『エスメラルダ』に出演、跳躍のすばらしさで有名であった。ファニーチェリートFanny Cerrito(1817―1909)の相手役で、1845年彼女と結婚。『大理石の女』(1847)、『悪魔のバイオリン』(1849)などを振り付け、パリ・オペラ座の教師となり、デベルテスマンづくり(本筋と関係なく、見せ場として挿入される宴会形式の踊り)に力を発揮。1859年ペテルブルグ帝室劇場に招かれ、バレエ・マスターを務めたのち、パリに帰り、『コッペリア』(1870)を振り付けた。舞踊記譜法を考案して『舞踊譜』(1852)を著したほか、自身の作品のなかでバイオリンを演奏し多才ぶりを示した。

市川 雅]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンレオン」の意味・わかりやすい解説

サン=レオン
Saint-Léon, Arthur Michel

[生]1821.9.17. パリ
[没]1870.9.2. パリ
フランスの舞踊家,振付師シュツットガルトのバレエ・マスターであった父親に師事した。初めバイオリニストとしてデビューしたが,1835年ダンサーとしてミュンヘンでデビュー。 45年バレリーナの F.チェリートと結婚。ボリショイ劇場,パリ・オペラ座で振付師として活躍した。振付作品に『ビバンデール』 (1844) ,『大理石の娘』 (47) ,『せむしの子馬』 (64) ,『コッペリア』 (70) などがあり,特に舞台でバイオリンを弾きながら踊った『悪魔のバイオリン』 (49) は有名。また民族舞踊をバレエに取入れたことでも知られる。しばしば自身のバレエのために作曲もした。著書に『舞踊譜』 La Sténochorégraphie (52) がある。

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