シ・まつり・ただ

普及版 字通 「シ・まつり・ただ」の読み・字形・画数・意味


12画

[字音]
[字訓] まつり・ただ

[説文解字]

[字形] 会意
(帝)(てい)+口。は上帝を祀る大きな祭卓の形。口は祝詞を納める器、(さい)の形。上帝の祭祀といい、はその初文であるが、のち祀にはを用い、は「ただ」という副詞にのみ用いる。卜文には祀の字にを用いている。はのち(てき)の形となり、(嫡)の初文。上帝を祀しうるものは、上帝の嫡孫であることを要した。それで(適)・(敵、匹敵の意)もに従う。にも「ただ、まさに」の用法がある。〔説文二上について、「語時、(ただ)ならざるなり」とするが文意が明らかでなく、〔段注〕に「不」とは多い意であるという。また〔説文〕に「一に曰く、(し)なり。讀みて(てい)の(ごと)くす」とあり、審諦の意があるという。

[訓義]
1. まつり。の初文。上帝を祭るまつり。字は(てき)となり、となる。
2. と通じ、ただす、おさめる。
3. 適・翅と通じ、副詞、ただ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 志加乃三(しかのみ) 〔名義抄 タダ・オホシ・オホカリ・マタ 〔立〕 ココロヨシ・タダ・シカノミ・マタ

[声系]
〔説文〕にを朿(し)声、声とし、を同声として(摘)を声とする。正嫡の意との意とがあり、正嫡の意は祭天祀の意を承け、の意は(う)つときの音の疑声語であろうと思われる。「不」の意にはまた翅(し)・を用いることがある。

[語系]
sie、翅sjieは声近く、副詞の「ただ」として通用する。tekも声近く、通用することがある。

[下接語]
・奚・非・不・弗

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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