シャアバン・ビン・ロバート(その他表記)Shaaban bin Robert

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

シャアバン・ビン・ロバート
Shaaban bin Robert

[生]1909.1.1. ドイツ領東アフリカ,タンガ
[没]1962.6.20. タンガニーカ,ダルエスサラーム
タンザニアの詩人,小説家。全作品をスワヒリ語で書いた作家で,現代スワヒリ文学の父ともいわれる。首都ダルエスサラームで学んだのち,役所に勤務するかたわら多くの詩,小説,エッセーを発表し,現代スワヒリ語の模範的文体をつくり上げた。信仰の厚いイスラム教徒である彼の作品は,ことに小説作品ではときとして道徳調が濃厚なため,芸術的価値をそこねているとの評もあるが,他方詩作の技術やレトリックに優れている。1960年,アフリカ人作家の最高の名誉とされたマーガレット・ロング記念メダルを受賞。主著詩集『言葉の装飾』Pambo la Lugha(1948),自伝『わが人生』Maisha Yangu(1949),ユートピア小説三部作の一つ『クサディキカ――空中の国』Kusadikika(1951),スワヒリ民族歌謡タアラブの女性歌手の伝記『シティ・ビンティ・サアド伝――ザンジバルの歌手』Wasifu wa Siti binti Saad, Mwimbaji wa Unguja(1958)ほか多数。ペルシアの詩人オマル・ハイヤームの『ルバーイヤート』のスワヒリ語訳(1952)も有名。(→アフリカ文学スワヒリ文学

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