ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スワヒリ文学」の意味・わかりやすい解説
スワヒリ文学
スワヒリぶんがく
Swahili literature
20世紀に入ると,古典期の伝統を受け継ぎ,それを革新して現代文学への道を開いたシャアバン・ビン・ロバートがいる。彼は詩を中心に小説,自伝,伝記など多彩な分野で多数の作品を残した。ほかに詩人として M.ムニャムパラ,アムリ・アベディらが知られる。スワヒリ文学最初の探偵小説『先祖の霊場』Mzimu wa Watu wa Kale(1960)を書いたモハメド・サイド・アブッダッラー,小説家の E.ケジラハビ,モハメド・スレイマン,ドイツ領東アフリカで植民地政策に反対する現地住民が起こしたマジマジ反乱(1905~07)を素材にした戯曲『キンジェケティレ』Kinjeketile(1969)などで知られるエブラヒム・フセイン,女性の戯曲作家ペニナ・ムハンドらも活躍している。小説,戯曲,詩の分野で近年の活躍が群を抜いているのはサイド・アフメド・モハメドである。これらの作家はすべて,今日のタンザニア領出身である。現代スワヒリ文学はタンザニアが主流であるとされるが,ケニアにも学校演劇祭などの長い伝統を背景にヘンリ・クリア,ゲリション・グギなどによる戯曲作品が多数ある。(→アフリカ文学)
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