シラヒゲソウ(読み)しらひげそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シラヒゲソウ」の意味・わかりやすい解説

シラヒゲソウ
しらひげそう / 白鬚草
[学] Parnassia foliosa Hook.f. et Thoms. var. foliosa
Parnassia foliosa Hook.f. et Thoms. var. nummularia (Maxim.) T.Ito

ユキノシタ科(APG分類:ニシキギ科)の多年草。根出葉は円形基部は深い心臓形、長い柄がある。茎には数枚の葉が互生し、無柄で茎を抱く。8~9月、高さ15~30センチメートルの花茎先端に、径2~2.5センチメートルの白色花を1個開く。花弁は5枚、卵形で縁(へり)は糸状に細裂する。雄しべは10本、そのうち花弁と対生する5本は先が3裂する仮雄蕊(かゆうずい)である。山中湿地に生え、中部地方以西の本州から九州、また中国からインドに分布する。名は、花弁が糸状に裂けることに基づく。変種のオオシラヒゲソウは、花が径3~3.5センチメートルと大きく、本州の日本海側に分布する。

[若林三千男 2020年2月17日]

 シラヒゲソウが含まれるウメバチソウ属はユキノシタ科、ウメバチソウ科を経て、ニシキギ科に分類されている。

[編集部 2020年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シラヒゲソウ」の意味・わかりやすい解説

シラヒゲソウ(白鬚草)
シラヒゲソウ
Parnassia foliosa var. nummularia

ニシキギ科の多年草。北海道と日本海沿岸を除く日本各地に分布する。山地の湿った草原などに生え,全体に毛はない。根生葉には長い柄があり,葉身は腎臓形または円形で基部は心臓形をなす。8~9月頃,高さ 15~30cmの花茎を伸ばし,先端に 1個の白色花をつける。5枚の花弁の縁は糸状に深く裂けていることからこの名がある。全体がウメバチソウに似ているが,花茎に数個の葉をつけることと,この糸状に裂けた花弁とで区別できる。

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世界大百科事典(旧版)内のシラヒゲソウの言及

【ウメバチソウ(梅鉢草)】より

…北半球の温帯,寒帯に広く分布し,日本でも全土に広がっている。近縁種の一つにシラヒゲソウP.foliosa Hook.f.et Thoms.ssp.nummuharia (Maxim.) Kitam.et Murataがあり,花弁のふちがひげのように糸状に多数深く切れ込んでいる。【若林 三千男】。…

※「シラヒゲソウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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