ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シルウェステル3世」の意味・わかりやすい解説
シルウェステル3世
シルウェステルさんせい
Sylvester III; Silvester III
[没]1063頃
ローマ出身の第146代教皇(在位 1045.1.~2.)。対立教皇とみなされる場合もある。本名 Giovanni di Sabina。サビナ司教だった 1045年1月,醜聞にまみれた教皇ベネディクツス9世(在位 1032~44,45,47~48)を放逐した党派により教皇に選出されたが,翌 2月にはベネディクツス9世の支持者により教皇位を追われた。復位したベネディクツス9世は,高潔な人物として知られていた自身の代父(→代父,代母)に教皇位を譲り,1045年5月,グレゴリウス6世(在位 1045~46)が登位した。シルウェステル3世は報酬と引き換えに新教皇を認め,元の教区に帰った。翌 1046年12月,ストリで開催された教会会議で復位を主張したが認められなかった。シルウェステル3世の教皇選出の正統性には疑義があるため,対立教皇ともみなされる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報