ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シルウェリウス」の意味・わかりやすい解説
シルウェリウス
Silverius
[没]537.12.2?. パルマリア島
フロジノーネ出身の第58代教皇(在位 536~537)。聖人。教皇ホルミスダス(在位 514~523)の息子。東ゴート(→ゴート人)のテオダハト王に指名され,536年6月に登位した。キリスト単性説の復興を望むビザンチン帝国の皇后テオドラは,シルウェリウスにコンスタンチノープルの総大司教だったアンチモスの復権を求めたが,それが拒絶されると,536年12月,将軍ベリサリウスをローマへ侵攻させ,シルウェリウスにゴート人と共謀し反逆したというぬれぎぬを着せさせて廃位させた。テオドラはコンスタンチノープルの教皇大使だったウィギリウスを後任の教皇とした。シルウェリウスはリュキアへ逃れたのち,テオドラの夫であるビザンチン皇帝ユスチニアヌス1世(在位 527~565)に訴え,審問のためローマに戻されたが,ウィギリウスによってナポリ沖のパルマリア島へ追放された。その地で殺害されたか餓死したとされる。祝日は 6月20日。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報