シロカジキ(その他表記)Makaira indica

改訂新版 世界大百科事典 「シロカジキ」の意味・わかりやすい解説

シロカジキ
Makaira indica

スズキ目マカジキ科の海産魚。シロカワともいう。英名black marlin,またはwhite marlinという。blackは生きているときの背面の体色に,whiteは死後の体色に由来する。太平洋およびインド洋暖海部に広く分布する。クロカジキとは胸びれ体側直角についていて体側に押しつけられないこと,体側にコバルト色の横帯がないことで区別される。雌は全長4m,体重500kgに達するが,雄はせいぜい体重100kgくらいにしかならない。産卵期は7~11月で,台湾東方海域では7~9月ころ,サンゴ海北西部では10~11月ころである。1尾の抱卵数は100万~120万粒。魚食性が強く,魚類や頭足類を食べる。ときには30kgものマグロが胃中から見つかることがある。おもにマグロはえなわで漁獲されるが,東シナ海や台湾近海では突ん棒でも漁獲されるが,沿岸に接近する性質があるので定置網でも漁獲される。肉はクロカジキよりやや赤身が強く,刺身として利用される。
カジキ
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロカジキ」の意味・わかりやすい解説

シロカジキ
しろかじき / 白梶木
black marlin
[学] Istiompax indica

硬骨魚綱スズキ目マカジキ科に属する海水魚。クロカジキとともにカジキ類中の大形種で、全長4メートル、体重500キログラムに達する。胸びれは外方に直立していて、体側に接着できない特異な形状が特徴。英名、和名は、死後の体色が黒褐色から灰白色に変化することに由来する。シロカワ、カタハリは別称。沿岸性でおもに東南アジアからオーストラリア海域に分布し、日本近海にも回遊する。東シナ海での漁期は9~12月、主として流し網で漁獲される。

[上柳昭治]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シロカジキ」の意味・わかりやすい解説

シロカジキ
Istiompax indica

スズキ目マカジキ科の海水魚。別名シロカワ。全長 4.5m。体は細長く,やや側扁し,全体として白みを帯びる。吻はやや短い。胸鰭は体側に対して直角に立っていて,体側に押しつけることができない。外洋性。クロカジキより美味であるとされる。インド・太平洋の暖海に分布する。

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栄養・生化学辞典 「シロカジキ」の解説

シロカジキ

 →シロカワカジキ

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世界大百科事典(旧版)内のシロカジキの言及

【カジキ】より

…【谷内 透】。。…

【カジキ】より

…おもに全世界の熱帯から温帯にかけての外洋部に生息する。太平洋,インド洋,大西洋に共通な種類はメカジキXiphias gladius(イラスト)のみで,インド洋・太平洋域にはマカジキTetrapturus audax(イラスト),フウライカジキT.angustirostrisバショウカジキIstiophorus platypterus(イラスト),クロカジキMakaira mazara,シロカジキM.indicaが,大西洋域にはニシマカジキT.albidus,チチュウカイフウライT.belone,クチナガフウライT.pfuegeri,ニシバショウカジキI.albicans,ニシクロカジキM.nigricansが分布する。 メカジキは一見したところマカジキ科の魚に似るが,形態的にも生態的にも異なる。…

※「シロカジキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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