シロバイ(読み)しろばい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロバイ」の意味・わかりやすい解説

シロバイ
しろばい / 白灰
[学] Symplocos lancifolia Sieb. et Zucc.

ハイノキ科(APG分類:ハイノキ科)の常緑小高木。小枝淡褐色の細毛がある。葉は互生し、卵状披針(ひしん)形で長さ4~8センチメートル、縁(へり)に浅く切れ込む鋸歯(きょし)がある。9~10月、葉腋(ようえき)に長さ1~3センチメートルの穂になって白色花を開く。花冠は径約6センチメートル、五つに深く裂け平開する。雄しべは多数で5束に分かれる。果実は倒卵状球形で長さ5~6ミリメートル、翌年の秋に黒く熟す。暖地に生え、近畿地方以西の本州から九州、および中国大陸南部、台湾に分布する。

小林義雄 2021年4月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シロバイ」の意味・わかりやすい解説

シロバイ(白灰)
シロバイ
Symplocos lancifolia

ハイノキ科の常緑低木または小高木。西日本からアジア東部にかけての暖地のやや乾いた山地に生える。高さ 3mぐらいになる。葉は互生し,長さ4~6cmの卵状披針形または披針形で両端がとがり,縁に浅い鋸歯があって深緑色でつやがある。9~10月頃,上部の葉腋に総状花序を出し,白色の小さい5弁の花を密につける。果実は径5~6mmの球形で黒く熟する。シロバイは同属クロバイに対する名で,枝の色が灰褐色であることによる。

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世界大百科事典(旧版)内のシロバイの言及

【エッチュウバイ(越中蛽)】より

…日本海の水深200~500mの砂泥底にすむエゾバイ科の巻貝(イラスト)。軟体は黒斑があるが全体に白いのでシロバイの名で売られる。殻の高さ12cm,太さ7cm。…

※「シロバイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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