サウジアラビア西部沿岸の重要港湾都市。人口280万(2004)。アラビア語で正しくはジュッダJudda。ジッダJiddaとも呼ばれる。東方約80kmの聖地メッカへの巡礼者の出入口として栄えた。夜景が宝石を散りばめた花嫁に似ているというので,〈紅海の花嫁〉の異名をもつ。
町の起源はイスラム以前にさかのぼり,646年には第3代カリフのウスマーンがメッカ巡礼用の港にしたといわれる。10世紀以降は,紅海経由の東西貿易の中継地として繁栄し,ヒジャーズを支配する政治権力者は同地での関税の徴収に腐心した。またイブン・ジュバイルをはじめ多くの旅行者,巡礼者が立ち寄り,町の記録も残されている。
20世紀に入ってからオスマン帝国,イギリス,メッカのシャリーフ,サウード家と支配者を替えたが,海外との接点として,つねに外国公館が集まった。今日のサウジアラビアにおいても外交の窓口は首都リヤードではなく,ジェッダとされている。これは外国人をなるべく沿岸地方に居住させ,その影響が内陸部にまで及ぶのを阻止するための措置とも考えられる。すぐれた港湾施設と大空港をもち,メッカとメディナの両聖地への道路が整備されている。毎年10万人以上の巡礼者が通過する。空港と港の近くに〈巡礼の町〉がつくられ,食糧,衣料など巡礼客の必需品を販売するほか,医療も提供している。水不足で大都会になる条件を欠いていたが,第2次大戦後,約50km離れたファーティマ渓谷から近代的な給水施設で豊富に水を供給し始めてから,膨張の一途をたどった。また世界最大級の海水淡水化工場が稼働しており,同時に発電も行われる。石油収入の急増後,商業活動も活発で,ビルが林立する。1967年創立のアブド・アルアジーズ大学が教育・文化の中心をなす。
執筆者:浅井 信雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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