ジガバチソウ(読み)じがばちそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジガバチソウ」の意味・わかりやすい解説

ジガバチソウ
じがばちそう / 似我蜂草
[学] Liparis krameri Fr. et Sav.

ラン科(APG分類:ラン科)の多年草。偽鱗茎(ぎりんけい)がある。5~6月、数個の花をまばらにつける。花は暗紫褐色のものが多いが、深緑色のものもある。草姿は近縁クモキリソウに似るが、唇弁先端が尾状にとがるのが特徴である。温帯林林床、岩上に生え、北海道から九州、および朝鮮半島に分布する。名は、花の形をジガバチに見立てたもの。

井上 健 2019年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジガバチソウ」の意味・わかりやすい解説

ジガバチソウ(似我蜂草)
ジガバチソウ
Liparis krameri

ラン科の多年草。日本および朝鮮半島の温帯から暖帯にかけて分布し,山林下の岩上や朽ち木の上にコケなどとともに生える。2枚の葉が向き合ってつき,クモキリソウの葉によく似ているが,花の唇弁がそり返らず,その先端が長い尾状になる点や,2枚の側萼片が唇弁の裏側に密着することなど,花の形態が異なるので,花があれば区別は容易である。夏に,1本の花茎を出し淡緑または紫褐色の花をつける。

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