日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ジャエシャンカル・プラサード
じゃえしゃんかるぷらさーど
Jayshankar Prasād
(1889―1937)
インドのヒンディー語詩人、劇作家。ワーラーナシの富商の家に生まれたが、幼くして父母に死別し、兄の死後17歳で家督を相続したため財産問題で苦労した。早くから詩作を好み、伯父の発行する月刊誌『月(インドゥ)』の編集に参与し、同誌に1909年詩を発表して以来、詩、短編、長編、戯曲など多くの作品を発表した。浪漫象徴詩風(チャーヤーワード)の先駆者として早くから名をなしたが、原人マヌを主人公とした叙事詩『カーマーヤニー』(1935)がとくに名高い。近代演劇の確立者としても高く評価され、歴史とくにグプタ朝時代に取材し、心理描写に優れた作品が多いが、文章が難解で、舞台にのせにくい欠点がある。
[土井久弥]