日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュアン」の意味・わかりやすい解説
ジュアン
じゅあん
Alphonse Juin
(1888―1967)
フランスの軍人。陸軍元帥。アルジェリアに生まれ、サン・シール陸軍士官学校を卒業。第一次世界大戦に従軍し負傷した。大戦後は北アフリカとくにモロッコでの勤務が長かった。第二次世界大戦では機械化師団長としてベルギー、北フランスでドイツ軍と戦い捕虜となったが、1941年ペタンの要求で釈放された。連合軍の北アフリカ上陸後はその一翼として北アフリカ、イタリアに転戦し戦功があった。戦後は1947~1951年モロッコ総督、1951~1953年フランス陸軍総監、1953~1956年北大西洋条約機構軍中欧方面軍司令官などを歴任した。ドゴールのアルジェリア民族自決政策に反対し、1962年退役させられた。フランス陸軍の俊秀として同期のドゴールと比較されたが、ドゴールの政治的先見性を欠いた。1952年以来アカデミー・フランセーズ会員だった。
[平瀬徹也]