日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュリーニ」の意味・わかりやすい解説
ジュリーニ
じゅりーに
Carlo Maria Giulini
(1914―2005)
イタリアの指揮者。ベローナ近郊バルレッタに生まれ、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院でビオラ、作曲、指揮を学ぶ。ビオラ奏者として活動ののち、1944年指揮者としてデビュー。ローマ放送管弦楽団、ミラノ放送管弦楽団、ミラノ・スカラ座を経て、69~73年シカゴ交響楽団首席客演指揮者、73~76年ウィーン交響楽団首席指揮者、78~84年ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督を務めた。1960年(昭和35)イスラエル・フィルハーモニーと初来日。ドイツの交響作品を得意にし、それらを優美に、色彩感豊かに表現するのに独特の能力を発揮する。それがとくにイギリスとアメリカで高く評価された。
[岩井宏之]
『ロバート・チェスターマン著、中尾正史訳『マエストロたちとの対話』(1995・洋泉社)』▽『吉田秀和著『吉田秀和作曲家論集5 ブラームス』(2002・音楽之友社)』