コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

椿姫 つばきひめLa Traviata

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

椿姫
つばきひめ
La Traviata

G.ベルディ作曲のオペラ。3幕4場の悲歌劇で,台本はアレクサンドル・デュマ (フィス) の小説から F.ピアベが作成。 1853年ベネチアで初演。『乾杯の歌』『ああ,そはかの人か』『パリを離れて』など甘く感傷的な音楽で知られる。

椿姫
つばきひめ
La Dame aux camélias

フランスの作家アレクサンドル・デュマ (フィス) の小説。 1848年刊。 52年自身の手で劇化。椿を愛する高級娼婦マルグリットと純情な青年アルマンとの悲恋を扱い,ロマン派的な抒情性を感じさせながら,当時の社会にあっては大胆な風俗描写を行い,戯曲としても 19世紀において最も成功したものの一つとなった。 G.ベルディによってオペラ化。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

つばきひめ【椿姫】

《原題、〈フランス〉La Dame aux camélias小デュマの長編小説。1848年刊。1852年戯曲化。椿姫とよばれる娼婦マルグリットと青年アルマンとの悲恋物語。
《原題、〈イタリア〉La Traviataベルディ作曲のオペラ。3幕。1853年ベネチアで初演。に題材を取ったもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

椿姫【つばきひめ】

(1)デュマ(子)の小説。1848年作。のち戯曲化された。娼婦(しょうふ)マルグリットが青年アルマンによって真実の愛に目ざめるが,アルマンの父の願いを入れて身をひき,すてばちな生活で早死する。
→関連項目長田秋濤ガルボドミンゴノイマイヤーベルナールリゴレット林【じょ】

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

デジタル大辞泉プラスの解説

椿姫

1936年製作のアメリカ映画原題《Camille》。アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の同名小説の映画化。監督:ジョージ・キューカー、出演:グレタ・ガルボ、ロバート・テイラー、ライオネル・バリモアほか。

椿姫

イタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディのイタリア語による全3幕のオペラ(1853)。原題《La traviata》。アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の同名の小説を題材とする。高級娼婦ヴィオレッタと青年貴族アルフレードの悲恋を描いた作品。

椿姫

アメリカの舞踊家・振付家ジョン・ノイマイヤーによるバレエ(1978)。原題《Die Kameliendame》。初演はシュツットガルト・バレエ団でマリシア・ハイデが主演を務めた。小デュマの同名の小説を題材とし、ほかに、モーリス・ベジャール、フレデリック・アシュトンの振付の版が知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

つばきひめ【椿姫 La dame aux camélias】

フランスの劇作家デュマ(子)の代表作。1848年小説として発表,翌年5幕の戯曲に改作,52年パリのボードビル座で初演。1845年ころパリの社交界浮名を流した高級娼婦マリー・デュプレシをモデルに,その情人の一人であった作者自身の体験に基づいて構想。マルグリット・ゴーティエという名でその恋人の原型を理想化して作り上げた一種の恋愛風俗小説。プロバンス出の青年アルマンの,ひたむきで純粋な愛情に出会って,初めて真実の愛に目覚めたパリの高級娼婦マルグリットが,愛と犠牲のはざまに悩みながら波乱の生涯を終える物語。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

つばきひめ【椿姫】

〔原題 フランス La Dame aux camélias〕 デュマの長編小説。1848年刊。52年戯曲化。純朴な青年アルマンによって真実の愛に目覚めた娼婦マルグリットの悲劇的な生涯を描く。
〔原題 イタリア La Traviata〕 ベルディ作曲のオペラ。三幕。1853年初演。に取材した作品。「乾杯の歌」「ああ、そはかの人か」など広く知られている。トラビアータ。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

椿姫
つばきひめ
La Dame aux camlias

フランスの小説家デュマ(子)の長編小説。1848年発表。マリ・デュプレシスという作者の愛人をモデルにし、主人公の回想形式をとる。椿の花を愛して椿姫とあだ名される高級娼婦(しょうふ)マルグリット・ゴーチエは、青年弁護士アルマン・デュバルのひたむきな情熱に触れて愛に目覚める。歓楽の日々を捨て、彼女はアルマンと2人パリ郊外の別荘にこもって静かな幸福に浸るが、それも長くは続かなかった。アルマンの父が彼の留守に訪ねてきて、本当に愛情があるなら彼の将来のために別れてくれと懇願する。悲痛な想(おも)いで犠牲を受け入れた彼女は、彼を捨てたと思わせて去り、以前の囲われ者の暮らしに戻る。激怒したアルマンは公衆の面前で彼女を侮辱して旅に出、彼女は絶望のあまり肺病を悪化させて死ぬ。
 この救いのない結末は著者自身による劇化の際改められ、マルグリットは真相を知って駆けつけたアルマンの腕の中で死ぬことになる。初演(1852)から驚異的成功を博し、ベルディによってオペラ化され、作者の名を不朽にした。[佐藤実枝]

オペラ

この原作をもとに、イタリアの作曲家ベルディによるオペラは作者中期の傑作の一つで、三幕四場。オペラの原題はLa Traviataで、「道を踏み外した女」の意。イタリア語の台本はフランチェスコ・M・ピアーベで、ヒロインの名はビオレッタとされ、原作の鋭い社会体制批判は薄れ、メロドラマの色彩が強い。音楽も、レチタティーボからアリオーソへの滑らかな移行や、管弦楽による情景描写など、繊細で情感豊かな表現が特徴である。第一幕および第三幕への前奏曲、「乾杯の歌」「ああ、そはかの人か」「プロバンスの海と陸」「パリを離れて」などがよく知られる。1853年ベネチア初演。日本初演は1919年(大正8)ロシア歌劇団。[三宅幸夫]
『『椿姫』(吉村正一郎訳・岩波文庫/新庄嘉章訳・新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の椿姫の言及

【ツバキ(椿)】より

…あでやかで異国的なツバキは〈日本のバラ〉と呼ばれ,花木の貴族とたたえられた。フランスでも19世紀には《椿姫》の大流行でわかるように,紅白のツバキのコサージュや花束が,夜会のアクセサリーとしてもてはやされ,パリジェンヌたちの胸をときめかした。ツバキの花ことばは,このような熱狂的な背景もあって,紅ツバキには〈気どらない優美〉,白ツバキには〈完全な愛らしさ〉という最上級の賛辞が与えられたのである。…

【デュマ[子]】より

…私生子として生まれたということが,その思想と作品の根底になっている。処女詩集を発表した後,小説《椿姫》(1848)で一躍流行作家となり,1852年には劇化して大成功を収め,翌53年にはベルディによってオペラ化された。以後,《クレマンソー事件》(1866)など小説も書いたが,役に立つ演劇を標榜して世間の偏見を攻撃し,男女の平等を叫び,子どもの権利を主張して,写実的な手法で多くの劇を書き,劇場に〈人生の断片〉を再現させて,社会・風俗劇のジャンルを確立した。…

【林紓】より

…桐城派の古文を学び,京師大学堂(北京大学の前身)教習に任じた。フランス帰りの王寿昌が口語訳した小デュマの《椿姫》を文語化し《巴黎茶花女遺事(パリちやかじよいじ)》として1899年(光緒25)刊行したのをきっかけに,ストーの《アンクル・トムの小屋》の訳《黒奴籲天録(こくどゆてんろく)》(1901)をはじめ,各国の小説170種余りを翻訳し,〈林訳小説〉として当時の社会と文壇に大きな影響を与えた。みずからは外国語を解せず,外国語のできる助手の口語訳をもとにしているため,翻訳する作品の選択は恣意的であるが,古文家が外国の小説を翻訳したということで,中国における小説の地位を高めたほか,海外の文学の紹介という啓蒙的な役割をも果たした。…

※「椿姫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

椿姫の関連キーワードディミトラ テオドッシュウパトリツィア チョーフィファビオ アルミリアートアントニエッタ ステラマリエッラ デヴィーアリュドミラ ピトエフピョートル ベチャワカルロス アルバレスハンブルク・バレエ団イレアナ コトルバスアンドレア ロストエルヴェ モローアンナ モッフォG. キューカールシアン ギトリA. ナジモワティト ゴッピスージン カンティト スキパ小宮山 天香

椿姫の関連情報