スカッド(英語表記)SS-1 Scud B

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スカッド」の意味・わかりやすい解説

スカッド
SS-1 Scud B

ソ連が 1965年から配備した SSM (地対地ミサイル) 。 MAZ-543 8輪トラックに搭載される。ソ連のほか,ワルシャワ条約機構,アラブ諸国,北朝鮮などにも配備された。核弾頭,通常弾頭の両装備があるが,ソ連以外は通常弾頭型を配備している。すでに旧式化しているが,湾岸戦争ではイラク軍が使用して多国籍軍を悩ませた。移動式発射機のため,発見,破壊が困難である。イラクはスカッド・ミサイルの射程を 650kmに延ばしたアル・フセイン,850kmにしたアル・アッバスを開発した。スカッド・ミサイルにはA型からC型まである。B型の主要目は,射程約 300km,全長 11.25m,直径 85cm,発射重量 6.3t,推進方式液体燃料,弾頭重量 985kg,CEP (半数必中界) 450m。一方,北朝鮮はスカッドB型をもとに射程を大幅に延長し,ミサイル本体も大型化したノドン (労働) 1号を配備し,さらにノドン2号も開発中であるといわれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android