デジタル大辞泉
「すたすた坊主」の意味・読み・例文・類語
すたすた‐ぼうず〔‐バウズ〕【すたすた坊主】
江戸時代、寒中に裸で縄の鉢巻きをし、腰に注連縄を巻き、扇や錫杖などを持って歌い踊り、物乞いをしたこじき僧。上方で、誓文払いに商人の代参をした願人坊主に始まるという。すたすた坊。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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すたすた‐ぼうず‥バウズ【すたすた坊主】
- 〘 名詞 〙 江戸時代、乞食坊主の一種。古く、京都で誓文払(せいもんはらい)といって、商人がふだん嘘をいって商売をする罪ほろぼしのために神社に参詣することの代理として垢離(こり)をとって、金品をもらった乞食坊主。後には上方や江戸で、寒中、裸で縄の鉢巻をし、腰に注連縄(しめなわ)を巻き、手に扇と錫杖(しゃくじょう)を持って、銭五七文を串に貫き、わりかけの竹にはさんで振りならしながら「すたすた、すたすた、すたすたぼうずのくるときは、腰には七九のしめをはり、あたまにしっかと輪をはめて」などと歌いながら踊り、家ごとに立寄って物乞いをして歩いた坊主。すたすた。
すたすた坊主〈只今御笑草〉
- [初出の実例]「難行・苦行のすたすた坊主、すたすたいふてぞ加持しける」(出典:浄瑠璃・双生隅田川(1720)道行)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のすたすた坊主の言及
【願人坊主】より
…1842年(天保13)の町奉行所への書上には〈願人と唱候者,橋本町,芝新網町,下谷山崎町,四谷天竜寺門前に住居いたし,判じ物の札を配り,又は群れを成,歌を唄ひ,町々を踊歩行き,或は裸にて町屋見世先に立,銭を乞〉とあり,乞食坊主の一種でもあった。その所行により,すたすた坊主,わいわい天王,半田行人(はんだぎようにん),金毘羅(こんぴら)行人などとも呼ばれ,その演じる芸能は願人踊,[阿呆陀羅経],チョボクレ,チョンガレなど多種で,後にかっぽれ,浪花節なども派生した。民俗芸能として関東の[万作(まんさく)踊],富山県小矢部(おやべ)市に願念坊踊,秋田県南秋田郡八郎潟町の願人踊が残り,歌舞伎舞踊の長唄《[まかしょ]》や世話物狂言の点景人物に面影を残す。…
※「すたすた坊主」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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