スネイデルス(その他表記)Frans Snyders

改訂新版 世界大百科事典 「スネイデルス」の意味・わかりやすい解説

スネイデルス
Frans Snyders
生没年:1579-1657

フランドル静物画家。ピーテル・ブリューゲル2世の弟子で,1602年に生地アントワープの画家組合に登録。彼の初期作品は不明だが,当初人物画家を志したらしい。03-09年イタリアに滞在,以後没年まで生地で静物画,狩猟画第一人者として活動した。作品は16世紀のアールツェンの,人物を伴った大規模な静物画の流れをくむが,構図は整理されつりあいのとれたものとなり,豪奢な装飾的効果も高められている。独立した作品のほか,ルーベンスやファン・デイクの人物画中に静物,動物を描き込んだ例も知られる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スネイデルス」の意味・わかりやすい解説

スネイデルス
Snyders, Frans

[生]1579.11.11. 〈洗礼アントウェルペン
[没]1657.8.10. アントウェルペン
フランドルの静物画家,動物画家。ブリューゲル2世 (大ブリューゲルの子) および H.バーレン師事。 1608年イタリアに旅行,帰国後はルーベンスのもとで彼のキャンバスに静物や動物を描いた。後年執政官アルバート大公の首席画家となり,スペインフェリペ3世の命を受けて幾点かの狩猟画を描いた。プラド美術館には彼の作品が多数収蔵されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスネイデルスの言及

【フランドル美術】より

…ヨルダーンスはフランドルの諺や習俗を扱った大画面の風俗画に土着的活力に満ちたその個性を発揮している。F.スネイデルスの狩猟画や静物画も大画面で,総じてフランドルでは装飾性豊かな大作への嗜好が顕著なのも,写実的で親密な小品を好んだオランダと異なる点である。しかし,美術活動の担い手についてと同様,作品そのものについても両地域の相違のみを強調するのは一面的にすぎる。…

※「スネイデルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android