スノーデン(読み)すのーでん(英語表記)Philip Snowden, 1st Viscount Snowden

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スノーデン」の意味・わかりやすい解説

スノーデン
すのーでん
Philip Snowden, 1st Viscount Snowden
(1864―1937)

イギリスの政治家。織工の子として生まれる。フェビアン協会独立労働党で活躍、社会主義者としての名をあげた。1906年に労働党下院議員となり、第一次世界大戦中は戦争反対の立場を貫いた。1924年の第一次労働党内閣、1929年からの第二次労働党内閣でともに蔵相を務めたが、あくまでも均衡予算に固執する伝統的な財政観をもって、世界恐慌下の経済苦境に対処しようとして、失業手当の削減案を出し、与党の労働党からの強い反発を招いた。労働党から排除されながらも、1931年に成立した「挙国」内閣の蔵相としてとどまったが、1932年9月、自由貿易原則の放棄に抗議して辞職した。

[木畑洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スノーデン」の意味・わかりやすい解説

スノーデン
Snowden, Philip Snowden, Viscount

[生]1864.7.18. イコーンショー
[没]1937.5.15. ティルフォード
イギリスの政治家。1903~06,1917~19年独立労働党委員長。1906~18,1922~31年下院議員。第1次世界大戦に際し,労働党党首ジェームズ・R.マクドナルドとともに非戦論を展開し,下院選に落選。1921年独立労働党の先鋭化離党。1924,1929~31年に第1次,第2次マクドナルド内閣で財務大臣を務め,緊縮財政主義を貫き,1931年9月金本位制度離脱を実行。財務大臣辞任後,国璽尚書に任命されたがマクドナルド挙国連立内閣の保護関税政策に反対して 1932年辞任。雄弁家,女性解放論者としても著名主著『社会主義者の予算』The Socialists' Budget(1907),『生活賃金』The Living Wage(1912),『労働と国家財政』Labour and National Finance(1920)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報