改訂新版 世界大百科事典 「スパラクシス」の意味・わかりやすい解説
スパラクシス
Sparaxis
アヤメ科のフリージアに似た秋植えの球根植物。スイセンアヤメの和名があり,南アフリカ南西部原産で6種が知られている。暖地では花壇用にされ,鉢植えや切花にも利用される。多くの品種は草丈約30~50cm,花は大きく,径4~5cmで,1花穂に,やや膜質の大きな苞にそれぞれが包まれる3~5花をつけ,下より咲き上がる。きれいな黄,桃,紅,紫,白などの花色であるが,曇・雨天,また夜などは花をとじる。花期は4~5月。スパラクシス・ブルビフェラS.bulbifera Ker.は黄金色,ときに銅色で,外側は紫色みを帯びる花をつける。スパラクシス・トリコロルS.tricolor Ker.は名のように三色咲きになる。いろいろな色彩花があるが,著名なものはファイア・キングで,花は外側から赤,黒,黄にそまる。栽培はフリージアに準じるが,やや耐寒力がある。種子でも繁殖でき,播種(はしゆ)して2年目には開花する。
執筆者:川畑 寅三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報