日本大百科全書(ニッポニカ) 「スンプ法」の意味・わかりやすい解説
スンプ法
すんぷほう
鈴木式万能顕微印画法(Suzuki's Universal Micro Printing)の略で、顕微鏡観察用の標本をつくる際の一方法である。材料の形状などにより2種の異なる方法が用いられる。(1)薄板法。植物の葉の表面の気孔、人の皮膚など、材料の表面にセルロイドのスンプ板が密着させられる場合に用いる。セルロイド板の表面にスンプ薄板法用液(酢酸アミルエステル)を塗り、これを材料の上にはりつける。数分後、セルロイドが乾燥したらゆっくりとはぎ取り、これをスンプ台板にはり、顕微鏡で観察する。(2)被膜法。小さい昆虫、植物の種子の表面など、立体的な形の表面を観察する場合に用いる。濃い被膜法用液(セルロイドを溶媒に溶かしたもの)を材料表面に直接塗り、約2時間放置して乾いたらはがす。これはセミの脱け殻のようなものなので、適当に切断してガラス板に挟んで観察する。表面にカビが生えないようにホルマリンの1%液を塗っておくとよい。
[杉山明子]