改訂新版 世界大百科事典 「セイコウチョウ」の意味・わかりやすい解説
セイコウチョウ (青紅鳥)
parrot-finch
スズメ目カエデチョウ科セイコウチョウ属Erythruraの鳥の総称。10種が知られていて,タイ,マレーシア,フィリピンからニューギニア島を経て南太平洋の島々やオーストラリアにまで分布する。金属緑色を主色とした美しい鳥であるが,フィジー・サモア諸島産のズアカセイコウチョウE.cyaneovirensのように体が青色を帯びたものもある。頭や尾の赤いものが多い。ナンヨウセイコウチョウE.trichroaは全長約13cm,セレベス島からニューギニア島を経てオーストラリア北西部およびローヤルティ諸島まで分布する。全身緑色で,顔は青く,尾は紅赤色。降雨林や海岸のマングローブ林などの林縁,二次林など低木の濃く茂ったところにすみ,種子類を食べている。一夫一妻で繁殖する。木の茂みにヨウナシ形の袋状の巣をつくり,1腹3個くらいの卵を産む。姿の美しさから飼鳥として輸入されるが,性質が荒く,飼いにくい。他のフィンチ類に比べて虫をよく食べる。
執筆者:中村 登流
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報