せば(読み)セバ

デジタル大辞泉の解説

せ‐ば

[連語]《過去の助動詞「き」の未然形+接続助詞「ば」》現実に起こらなかったことを仮定的に推量する。もし…たなら。
「思ひつつぬればや人の見えつらむ夢と知り―さめざらましを」〈古今・恋二〉
[補説]「ば」は主として上代・中古の和歌に用いられ、多くは下に推量の助動詞「まし」が呼応する。「せ」をサ変動詞「す」の未然形の特別な用法とする説、また、「せば」を助詞とする説もある。

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大辞林 第三版の解説

せば

( 連語 )
〔過去の助動詞「き」の未然形「せ」に接続助詞「ば」の付いたもの〕
事実でないことを仮定していうのに用いる。…たならば。…たとしたら。 「世の中にたえて桜のなかり-春の心はのどけからまし/古今 春上」 〔「せば」の「せ」をサ変動詞「す」の未然形「せ」の一用法とする説もある〕

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

せ‐ば

〘連語〙 (過去の助動詞「き」の未然形「せ」に接続助詞「ば」の付いたもの) 現実に反する事態を仮定条件として表わす。多く推量の助動詞「まし」と呼応して用いられる。
※古事記(712)中・歌謡「一つ松 人にあり勢婆(セバ) 太刀佩(は)けましを 衣(きぬ)着せましを 一つ松 あせを」
※平家(13C前)一二「かかるべしと知りたりせば、なにしか身命を捨てけんと後悔すれどもかひぞなき」
[補注]仮定条件が過去に限定されないところから「せ」をサ変動詞「す」の未然形とみる説や、「せば」を一語の助詞として取り扱う説もある。中古以降は、ラ変型の語に付く場合が圧倒的に多く、「まし」と呼応して、反実仮想を表わすのが普通だが、中世にはいると、「む」などと呼応する例も現われる。

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