セメント質(読み)せめんとしつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セメント質」の意味・わかりやすい解説

セメント質
せめんとしつ

歯根表面を覆う石灰化組織をいう。歯根膜線維が付着しており、歯を歯槽骨内に保持するのに重要な役割を果たす。無機質成分量は40%で、象牙質(ぞうげしつ)より軟らかい。

[村井正昭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セメント質」の意味・わかりやすい解説

セメント質
セメントしつ
cementum

歯の歯根部の象牙質をおおう薄い硬組織。歯根膜を介して歯槽骨との間を結ぶ歯根膜線維(シャーピー線維)により,歯を歯槽内に固定している。歯肉と歯槽骨縁が退縮して歯根が露出すると,セメント質からも,う蝕虫歯)が発生する。慢性根尖性歯周炎や外傷などの刺激でセメント質が肥厚していることがあり,抜歯困難の原因になる。

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