セリカ(その他表記)Serica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セリカ」の意味・わかりやすい解説

セリカ
Serica

前1世紀頃から,ギリシア人,ローマ人が用いた中国の名称。また中国人をセレス Seresと呼んだ。これらの名称は中国の特産物であった絹に基づいており,絹の産出国および絹の産出者の意であるが,それらの語源については諸説がある。ポンポニウス・メラプリニウスプトレマイオス,アミアヌス・マルケリヌスなどにセレスに関する記述があり,その国は広大で人口稠密であり,人の住みうる世界のはてであり,生糸を第1として,絹織物毛皮,鉄の産地であると述べている。

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世界大百科事典(旧版)内のセリカの言及

【絹織物】より

…しかし清代康熙年間(1662‐1722)以後,イギリスの中国貿易が盛んになると絹織物にかわって茶の輸出が激増し,やがて日本,西欧の絹織物業が発達し,輸出額がしだいに減少することになった。【佐藤 武敏】
[世界各地への伝播]
 古代ローマで中国を呼ぶのにセリカSerica(絹の国)の名が当てられたように,中国の絹織物は重要な交易品として,古く漢代以前からシルクロードの陸路を経て,また南海の海路によって遠く国外に輸出された。アルタイ東部のパジリクから出土した戦国時代の絹の刺繡や,シリアのパルミュラ出土の漢代錦,そしてシルクロードの各地点から出土した漢~唐代の多量の絹織物は,その経緯を伝えるものである。…

※「セリカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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