セレーニ(読み)せれーに(その他表記)Vittorio Sereni

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セレーニ」の意味・わかりやすい解説

セレーニ
せれーに
Vittorio Sereni
(1913―1983)

イタリアの詩人。ファシズム体制下に、スイスと境を接する故郷ロンバルディア地方の風物追憶を静かな語り口で日記のように綴(つづ)った詩集国境』(1941、改題増補版『詩集』1942)でデビュー。召集されて、第二次世界大戦に参戦。シチリアで連合軍捕虜となり、アルジェリアモロッコに収容された体験は『アルジェリア日記』(1947)として結実。暴力や戦争に安易に屈すまいとする同時代の民衆の心を代弁する作品。ほかに激動する時代のなかで揺れ動く人間の姿を描いた『人間器械』(1965)、バレリーパウンドの優れた翻訳もある。

[川名公平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セレーニ」の意味・わかりやすい解説

セレーニ
Sereni, Vittorio

[生]1913.7.27. バレーゼ
[没]1983.2.10. ミラノ
イタリアの詩人。エルメティズモ最後の詩人ともいわれる。第2次世界大戦中にはトラパニ近郊でアメリカ軍に捕えられ,オラーノの収容所で2年間を過した。主著『国境線』 Frontiera (1941) ,『人間の手先』 Gli strumenti umani (65) 。

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