日本のプロ野球2連盟の一つ。略称セ・リーグ。プロ野球は第二次世界大戦のため一時休止したが、1945年(昭和20)11月に日本野球連盟の復活を決めて以来、隆盛の一途をたどった。1949年秋に、1950年新球団加入をめぐって既存の8球団を二分して、セントラルとパシフィックの2リーグとし、日本野球連盟は解散した。セ・リーグは東京讀賣(よみうり)ジャイアンツ(巨人)、大阪タイガース(のち阪神タイガース)、中日ドラゴンズ、松竹ロビンス、大洋ホエールズ、西日本パイレーツ、広島カープ、国鉄スワローズの8球団が加盟、大洋以下は新規球団であった。第1年目は、小西得郎(1896―1977)監督率いる松竹ロビンスのリーグ優勝に終わったが、技量の低下、ファン動員数の減少などから球団の縮小案が出され、1951年には西日本がパシフィック・リーグ(パ・リーグ)の西鉄と合併して抜けて7球団になり、さらに1953年から松竹と大洋が合併して6球団となった。以来一貫して6球団制を維持して今日に至っている。1993年(平成5)に横浜大洋ホエールズ(旧、大洋ホエールズ)が、親会社名を外した横浜ベイスターズと改称して注目をあびた(2012年からは親会社名を入れて横浜DeNAベイスターズ)。2020年(令和2)4月時点で加盟している6球団とその本拠地は、読売ジャイアンツ(東京ドーム)、阪神タイガース(阪神甲子園球場)、中日ドラゴンズ(ナゴヤドーム)、横浜DeNAベイスターズ(横浜スタジアム)、広島東洋カープ(MAZDA Zoom-Zoom(マツダズームズーム)スタジアム広島)、東京ヤクルトスワローズ(明治神宮野球場)である。
[神田順治・森岡 浩 2020年6月23日]
2005年(平成17)からセ・パ両リーグは交流戦を導入した。これは、それまで公式戦(レギュラーシーズン、ペナントレース)では対戦することのなかった他リーグの6チームと試合をするもので、当初は1チーム当り24試合(〈本拠地2試合+相手本拠地2試合〉×他リーグ6チーム)を戦ったが、2015年からは18試合(対戦カードごとに、どちらかのチームの本拠地で3連戦6カード)に削減された。
また、2007年セ・リーグは、これまで公式戦優勝チームに与えられていた日本シリーズの出場権を、公式戦上位3チームによるプレーオフで決定する制度を導入した。これは、はじめに公式戦2位と3位のチームが戦い、次にその勝者が公式戦1位チームと戦うもので、その優勝チームが日本シリーズに出場することができる(2008年より公式戦1位チームに1勝のアドバンテージが与えられるようになった)。パ・リーグでも、2004年から独自のプレーオフ制度を導入していたが(詳細は「パシフィック・リーグ」の項を参照)、セ・リーグがプレーオフ制度を導入したのにあわせて、名称が「クライマックス・シリーズ」に統一された。年間優勝は「公式戦の勝率1位チーム」とされており、クライマックス・シリーズの結果による変更はない。
[森岡 浩・編集部 2020年6月23日]
『大和球士著『真説日本野球史 昭和篇その6』(1980・ベースボール・マガジン社)』
パシフィック・リーグとともに日本のプロ野球リーグの一つ。正称はセントラル野球連盟。略称セ・リーグ。1949年まで1リーグ8球団だった日本野球連盟が新球団参加問題で意見が一致せず分裂した。50年,読売ジャイアンツ(巨人),松竹ロビンス,中日ドラゴンズ,阪神タイガースの4球団に新球団として広島カープ,西日本パイレーツ,大洋ホエールズ,国鉄スワローズを加えて,8球団でセントラル・リーグがスタートした。最初の公式戦の優勝は松竹で,この年から始まった日本シリーズでパシフィック・リーグの優勝チーム毎日オリオンズと対戦し,2勝4敗で敗れた。51年に西日本が脱退して7球団,53年には大洋と松竹が合併(洋松)して6球団となった。さらに55年に洋松が大洋に,国鉄は65年にサンケイ,70年からヤクルトとそれぞれ変わった。優勝回数は巨人が最も多く,とくに川上哲治監督時代の65年から73年まで〈9連覇〉を達成,いずれも日本シリーズに勝っている。78年にヤクルトが初制覇して6球団すべてが優勝を経験した。個人記録でも巨人選手が目だち,50年に藤本英雄が対西日本戦で日本球界最初の〈完全試合〉を達成,65年には金田正一が通算400勝を記録した。打者では王貞治が64年に1シーズン55本塁打,通算でも868本を記録している。人気はパ・リーグをしのぎ,92年に初めてシーズン1300万人台を記録し,97年までに通算3億9500万人台に達した。2008年現在,加盟チームおよび本拠地球場は次のとおりである。読売ジャイアンツ(巨人)(東京ドーム),東京ヤクルト・スワローズ(神宮球場),横浜ベイスターズ(横浜スタジアム),中日ドラゴンズ(ナゴヤドーム),阪神タイガース(甲子園球場),広島東洋カープ(広島市民球場)。
執筆者:菅谷 斉
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