ゼレンカ(その他表記)Jan Dismas Zelenka

改訂新版 世界大百科事典 「ゼレンカ」の意味・わかりやすい解説

ゼレンカ
Jan Dismas Zelenka
生没年:1679-1745

チェコの作曲家。1710年よりドレスデンの宮廷オーケストラのコントラバス奏者,後には楽長J.D.ハイニヒェンの補佐役を務めた。ハイニヒェンの死後は当然楽長になるべきところ,オペラ作曲家として当時人気の高かったJ.A.ハッセが楽長となり,ゼレンカは1735年に〈教会作曲家〉という称号を得るにとどまり寂しい晩年を送った。創作分野は主としてミサ,レクイエム,オラトリオなど宗教的声楽作品であるが,母国の民俗音楽の語法をとりいれた世俗曲も残している。作風は巧みな対位法技法と大胆な和声の着想が自然に結びつき斬新さにあふれている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼレンカ」の意味・わかりやすい解説

ゼレンカ
Zelenka, Jan Dismas

[生]1679.10.16. ラウノビツ
[没]1745.12.22. ドレスデン
ボヘミアの作曲家。 1710年までプラハでハルティヒ伯に仕えたのち,ドレスデンに移る。 15~17年ウィーンとベネチア留学。 21年ドレスデン宮廷の教会音楽副楽長。対位法の技法にすぐれ,20曲のミサほかの宗教音楽器楽曲を残した。

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