ゼロサム社会(読み)ゼロサムシャカイ(その他表記)The Zero-Sum Society

デジタル大辞泉 「ゼロサム社会」の意味・読み・例文・類語

ゼロサム‐しゃかい〔‐シヤクワイ〕【ゼロサム社会】

zero-sum society経済成長が停止して資源や富の総量一定となり、ある者が利益を得るとだれかがその分だけ不利益をこうむる社会米国の経済学者サローの用語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼロサム社会」の意味・わかりやすい解説

ゼロ・サム社会
ゼロ・サムしゃかい
The Zero-Sum Society

アメリカの経済学者 L.C.サローの著書。 1980年刊。「分配と経済変化の可能性」という副題がつけられている。本書のテーマは,経済成長がない社会では,経済全体での所得分配は全体でゼロ和,すなわちゼロ・サムになり,誰かが得をするためには必ず誰かが損をしなければならないというもの。著者はアメリカにおけるインフレエネルギー,環境,所得格差など現実の経済問題を逐一検討し,それらのなかにゼロ・サム的要素がどのように盛込まれているかを分析している。そしてゼロ・サム問題こそが最優先で解決されるべき経済問題の一つであると強調し,そのためにも分配の公正について社会の合意をつくり出さなければならないと主張している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android