デジタル大辞泉
「そそり」の意味・読み・例文・類語
そそり
《動詞「そそる」の連用形から》
1 浮かれ騒ぐこと。
「下京の若手どもが―に目覚めてみれば」〈浮・諸艶大鑑・一〉
2 遊郭などを浮かれ騒ぎながらひやかしてまわること。また、その人。
「夏になると―ばかり多くって、銭になるやつは少ねえぞ」〈洒・卯地臭意〉
3 「そそり芝居」の略。
「顔見世舞ひ納めの日、―とて…二幕三幕ほど素人狂言をするなり」〈劇場新話・上〉
4 茶の品質の名称。葉の巻き縮んでいないものを選び揃えた、中等のもの。〈和漢三才図会〉
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そそり
〘名〙 (動詞「そそる」の連用形の名詞化)
① 抱きあげること。〔言塵集(1406)〕
② 浮かれて騒ぐこと。また、その人。そそりもの。
※評判記・役者評判蚰蜒(1674)
伊藤小太夫「くすみつらする
祇園のやしやにもそそりをつけ目やみの
地蔵の
しんきかほもよしにせろ」
③ 遊里や妓楼内をひやかし歩くこと。転じて、遊里に通うこと。また、その人。
女郎狂い。そそりもの。そそりびと。
※浮世草子・椀久二世(1691)上「日本一のそそりなれば
名山の煙立のぼり焼とまる
時節は
有まじ」
④ さそうこと。あおること。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第一〇「笛上手そそ利の翅飛立て〈遠舟〉 けふの仕懸を見する雲翠簾〈西全〉」
⑥ 茶の品質の名称。巻き縮んでいない葉を選びそろえた中等のもの。
※東寺百合文書‐を・宝徳三年(1451)一〇月七日・上久世庄華蔵庵雑具以下目録「ちゃつほ大小〈略〉そそり〈すこし入〉一」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報