最新 地学事典 「ソレアイト岩系」の解説
ソレアイトがんけい
ソレアイト岩系
tholeiitic rock series
非アルカリ火成岩の二大別の一つで,それらは,Sio2量の増加に対してFeO量が急速に濃集するソレアイト岩系と,FeO量が減少するカルクアルカリ岩系に分けられる。もともと,ザール地方Tholey産の玄武岩の一種に対して,J.Steininger(1840)がTholeiitと命名。のちにH.S.Jr.Yoder et al.(1962)はノルム石英の算出される玄武岩をソレアイトと定義した。ソレアイト岩系の,マグマからのゆっくりとした結晶化作用では,最初かんらん石が晶出,その後かんらん石はマグマと反応し直方輝石が晶出しはじめ,次いで,ピジョン輝石が晶出する。これらと並行して,Caに富む単斜輝石(透輝石やオージャイト)が晶出する。E.F.Osborn(1962)は,マグマが結晶化するときの酸素フガシティーが小さい場合には,結晶作用が進んでもマグマのSiO2量は急に増加しないでソレアイト岩系を生じると考えた。久野久(1950)は伊豆・箱根地方の火山岩がビジョン輝石質岩系としそ輝石質岩系に分けられることを見いだし,前者はソレアイト岩系に,後者はカルクアルカリ岩系に属すると考えた。しかし,この対応関係はどの地域の火山岩にも成り立つとは限らない。一般に,大陸地域や海洋地域の非アルカリ玄武岩の大部分はソレアイト岩系に属する。東グリーンランドにあるSkaergaard貫入岩体はその代表例。ソレアイト岩系の安山岩のなかで特にFeO/MgOの値の大きいものをアイスランダイトと呼ぶことがある。日本列島のような造山帯の非アルカリ玄武岩には,分化してソレアイト岩系をつくるものとカルクアルカリ岩系をつくるものとがある。
執筆者:周藤 賢治
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

