タタルスタン共和国(読み)タタルスタン(英語表記)Tatarstan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タタルスタン共和国」の意味・わかりやすい解説

タタルスタン〔共和国〕
タタルスタン
Tatarstan

ロシア西部にある共和国。 1920年タタール自治共和国として設立,92年現国名に改称して独立を宣言,94年共和国。首都カザンカマ川が流入するあたりのボルガ川中流域にあり,西部を北から南へ流れるボルガ川は人造湖を形成している。カマ川はベーラヤ川,ビャトカ川などを合せながら西流し,この人造湖に注ぐ。西部にボルガ川沿岸丘陵北部の丘陵,南東部にブグリマベレベイ丘陵があるほかは,低い波状の平地となっている。森林,森林ステップ地帯に属す。大陸性気候で,平均気温は1月-14℃,7月 20℃。年降水量 420~510mm。チュルク語系民族のタタール人の国で,タタール人が住民の半分近くを占め,次いでロシア人が多い。ボルガ=ウラル油田地帯にあり,1943年ブグリマベレベイ丘陵で採油を開始してから石油産業が急速に発展。アリメチエフスクから東西にパイプラインが延びる。製油業のほか,化学,機械,パルプ・製紙,木材加工などの工業が発達し,カザンおよびカマ川沿岸諸都市を中心に立地している。農業部門ではコムギライムギ,豆類,ジャガイモ,テンサイ,タイマなどが栽培され,果樹園も多い。畜産も盛ん。北部をモスクワとウラル地方を結ぶ幹線鉄道が通るほか,ボルガ川,カマ川などの水運が大きな役割を果している。面積6万 8000km2。人口 375万 4000 (1995推計) 。

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