タービン油(読み)タービンゆ(その他表記)turbine oil

改訂新版 世界大百科事典 「タービン油」の意味・わかりやすい解説

タービン油 (タービンゆ)
turbine oil

水力タービン蒸気タービンに用いられる潤滑油タービンならびにこれに連結される発電機や送風機,推進機などの軸受の潤滑に用いられるほか,大型タービンにおいてはカップリングの潤滑,舶用タービンでは減速歯車の潤滑にも同時に用いられる。また,蒸気タービンでは作動流体である高温蒸気によって軸受や減速歯車が高温にさらされるが,この熱をタービン油が運び去り,冷却役目もになっている。そのほか,タービン油は調速装置の油圧作動媒体として,また機械全体をさびから守るなどの働きも期待されている。このようなわけで,タービンの大型化,高速化の傾向とともに,タービン油に対する品質上の要求はますます厳しいものになりつつある。すなわち,タービン油はその用途にしたがって適切な粘度をもち,酸化安定性が高く長時間の高温使用に耐え,スラッジ生成が少なく,また水蒸気や水の混入によって乳化したり,泡立ちしたりすることのないことが望ましい。このような性能を実現するためには各種の添加剤を配合する必要があり,JISでは添加タービン油と無添加タービン油とを区分し,それぞれの特性を規定している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タービン油」の意味・わかりやすい解説

タービン油
タービンゆ
turbine oil

潤滑油の一種。発電用の水力タービン,蒸気タービン,船舶動力用タービンなどの軸受に利用されるほか,低圧の油圧機械の作動油,減速機の潤滑など用途は広範囲にわたる。一般に高度に精製した鉱油で添加剤 (酸化防止,錆止め,極圧添加剤) を含まない無添加タービン油は水力タービン,工業用各種設備機械など,稼働条件の比較的安定した範囲で利用される。高度精製油に各種添加剤を加えた添加タービン油は,長期間の反復使用に安定した耐久力をもち,蒸気タービン,減速機付蒸気タービンなどに使用される。また耐熱性を高めたものはガスタービン油として利用され,特に航空機を中心として合成系ガスタービン油が使用されている。近年はタービンや工業用機械などの高性能化や稼働条件の激化に伴い,タービン油も高性能を要求されるため,高度精製したものや添加剤を使用したもの,化学合成による油が一般化してきている。

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百科事典マイペディア 「タービン油」の意味・わかりやすい解説

タービン油【タービンゆ】

水タービン水車)や蒸気タービンに用いられる潤滑油。適正な粘度をもち,酸化しにくく長時間の連続使用に耐え,さび止め作用があり,水と分離しやすく乳化しにくいこと,泡(あわ)立ちしにくいことなどの性質が要求される。
→関連項目潤滑油

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