ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダンドーロ」の意味・わかりやすい解説
ダンドーロ
Dandolo, Enrico
[没]1205.5/6. コンスタンチノープル
ベネチア共和国の首長 (ドージェ ) 。名門ダンドーロ家の出身で,ベネチア高官の子。コンスタンチノープル (1172) ,シチリア (74) ,フェララ (91) などで外交使節として活躍。 1192年6月首長に選ばれると,憲法,刑法,民法を改正整備して内政を固め,東方貿易によって経済発展を促進。さらに老練さとその巧みな外交手腕で,ベロナ (92) ,ビザンチン帝国 (99) ,アルメニア (1201) ,神聖ローマ帝国 (02) などと結んだ。 99年バルカン支配の野心を達成するために,第4次十字軍の輸送を引受け,不足した輸送代金の代償として,十字軍を本来の目的から逸脱させ,1202年キリスト教徒の町ザラを攻略させた。次いで 04年ビザンチン帝国の首都コンスタンチノープルを陥落させ,ラテン帝国を樹立。ベネチア共和国に多大な利益をもたらした。
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