チップス先生さようなら(読み)ちっぷすせんせいさようなら(英語表記)Good-bye, Mr. Chips

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チップス先生さようなら」の意味・わかりやすい解説

チップス先生さようなら
ちっぷすせんせいさようなら
Good-bye, Mr. Chips

イギリスの作家ジェームズ・ヒルトン中編小説。1934年刊。パブリック・スクールの教育に一生を捧(ささ)げた老教師の数々の思い出をつづった物語。主人公チッピング先生(愛称チップス)は、ブルックフィールド校に1870年から50年近くも勤める名物教師。学者としても教師としても凡庸だが、温和、誠実な人柄と持ち前のユーモアで、学生たちの敬愛を集める。こうした主人公と学生たちの心の交流が、死別した愛妻についての甘い回想を含めて、独特のユーモアとペーソスを交えて巧みに語られ、心温まる物語となっている。

[小松原茂雄]

『菊池重三郎訳『チップス先生さようなら』(新潮文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チップス先生さようなら」の意味・わかりやすい解説

チップス先生さようなら
チップスせんせいさようなら
Goodbye, Mr.Chips

イギリスの小説家 J.ヒルトンの中編小説。 1934年刊。チップス (ポテトチップス) とあだ名されたパブリック・スクールの老教師の半生を,ペーソスとユーモアとが混然ととけあった文体で描く。伝統的なイギリス人気質をよく伝える読み物として好評を博し,劇化映画化された。

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