チョークコイル(読み)ちょーくこいる(英語表記)choke coil

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョークコイル」の意味・わかりやすい解説

チョークコイル
ちょーくこいる
choke coil

電気または電子回路において、比較的高い周波数の電流を阻止し、直流または比較的低い周波数の電流を流しやすくするためのコイルをいう。電源チョーク、平滑コイル、塞流(そくりゅう)線輪、阻止線輪ともよび、CHとも略記する。なお、電気用のチョークコイルは、とくにリアクトルとよばれる。

 チョークコイルは、電源回路で脈流を除去するための整流平滑回路コンデンサーと組み合わせ、通信線路や電子回路で特定の周波数範囲の信号を阻止するためには直列に挿入し、回路の交流抵抗ともいうべきインピーダンスを損なうことなく直流電流を通過させるには並列に挿入して用いる。チョークコイルは交流に対して阻止能力が高く、直流による電位降下ができるだけ小さいことが望ましい。このため低い周波数用には普通は空隙(くうげき)のある磁心にコイルを巻いたものを用いる。高い周波数では高いインピーダンスが得やすいために、単に絶縁棒の上にユニバーサル巻きとか、細い溝の中にコイルを巻き込んだ扁平コイルや、長い単層巻きのコイルを用いる。磁心を用いたチョークコイルでは、普通インピーダンスの変動を小さくするために直流磁束に比べ交流磁束の発生を小さくするように設計されている。交流磁束の発生が大きくなるように設計されたチョークコイルは、動作中のインピーダンスが非直線的に変化するため、その性質を利用してスインギングチョーク、磁気パルサー、高周波発生回路、磁気増幅器に用いられる。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョークコイル」の意味・わかりやすい解説

チョークコイル
choke coil

自己インダクタンスにより高い周波数の交流を阻止し,低い周波数の交流を通すコイル。低周波用のものはフェライトなどを入れて自己インダクタンスを大きくしてある。コンデンサと組合せた平滑回路やフィルタを実現するために用いられる。

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