チリイバラガニ(その他表記)Lithodes antarcticus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チリイバラガニ」の意味・わかりやすい解説

チリイバラガニ
Lithodes antarcticus

軟甲綱十脚目タラバガニ科。甲幅 20cmに達する大型種で,チリ南部から南アメリカ大陸南端を経てアルゼンチンのブエノスアイレス沖まで,パタゴニア地方沿岸に分布する。甲,鋏脚,歩脚は円錐形突起で覆われる。形態は北太平洋の水深 400~600mに生息するイバラガニモドキ L. aequispina に似ているが,本種のほうが突起の数が多い。肉質がよく,また,イバラガニ類としては例外的に浅海に生息する(漁場は水深 50~100m)ため,水産業上の重要種である。主産地のチリでは Centolla del Sur(南のイバラガニ)と呼ばれる。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android