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海氷 かいひょう sea ice

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

海氷
かいひょう
sea ice

広義には海上にある氷すべてをさすが,狭義には海水が凍結してできた氷をさす。まず氷晶 (水中に浮遊する微細な針状あるいは板状の氷) が析出し,海水表面に浮上して集った氷晶によって海面はかゆ状の氷泥となる。

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デジタル大辞泉の解説

かい‐ひょう【海氷】

海上に浮かぶ氷。海水が凍結したもののほか、氷河・陸氷の先端部が海に落ちた氷山・氷島、河川水・湖水が結氷して流出した河氷・湖氷も含まれる。 冬》

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百科事典マイペディアの解説

海氷【かいひょう】

海水の凍ったもの。淡水の結晶の骨組の中に空気や濃縮塩水(ブライン)を含む。母海水の塩分が35‰のときの氷点はおよそ−1.9℃。はじめ海面に膜氷(数mm〜数cmの盤状または針状の氷晶の集合)ができ,次いでガラス板状の氷殻か直径10〜20cmの蓮葉(はすば)氷が浮かび,冷却が進むと厚さ20cm内外の板状軟氷または大型蓮葉氷が現れ,さらに厚く成長する。
→関連項目パドル

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海の事典の解説

海氷

海水が凍結してできた氷をいう。これに対して氷河あるいは陸氷の末端が分離して海に流れだしたものを氷山という。海氷は晶氷から海綿氷または氷殻、板状軟 氷、蓮葉氷、一冬氷と成長していく。夏期にも融解せず次の冬にさらに厚みを増したものを二冬氷、三冬以上経過したものを多冬氷という。海水は凍結に際し て、ブラインと呼ばれる濃い塩水を、細胞状または毛管状にその組織内に取り込んで成長する。ブラインは次第に海氷の下面から抜け出すが、この濃縮された塩 水は高密度の深層水の生成に大きな役割を果たす。 (永田)

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世界大百科事典 第2版の解説

かいひょう【海氷 sea ice】

海水が凍った氷。広い意味では海に流れ出た河氷や氷山なども含めて海で見られるすべての氷をいう。1気圧の下では,淡水は4℃で密度が最大になり,0℃で凍る。海水は1kg中におよそ35gの塩分を含むので,-1.9℃くらいまで氷点が下がる。淡水の池や湖では4℃になるまでは対流を起こしながら冷えていくが,4℃以下になると表面に冷たい水が浮かぶようになり,それが静かに冷やされて薄氷が張り始める。海水の塩分濃度では密度最大の温度が氷点よりも低いので,氷点に達するまで対流が続き,海は深くまで冷やされながら凍っていく。

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大辞林 第三版の解説

かいひょう【海氷】

海水が氷結してできた氷。広義には、陸地で生じた氷河氷や、氷床の末端が分離してできた氷山が海に浮かんでいるものをも含めていう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

海氷
かいひょう

海でできたすべての氷をいう。湖でできた氷を湖氷、河川でできた氷を河氷、氷河などのように陸でできた氷を陸氷とよび、それらのなかで水に浮かんでいるものを浮氷と総称する。[赤川正臣]

塩分と結氷温度

真水は0℃で凍るが、海水は塩分があるため結氷温度が下がる。結氷温度は塩分が高いほど低く、塩分10(海水中の塩類の量をpsu=実用塩分単位で示した値。1982年以前は千分率‰=パーミルで表されていた)の水の結氷温度はほぼ零下0.5℃であるが、塩分が33になると零下1.8℃に下がる。
 結氷の進行も塩分の濃度によって2通りになる。海の表面の温度が下がると、表面の水は密度を増して重くなり、下の軽い水と入れ替わる対流現象をおこす。塩分が24.7より低い水は、結氷点より高いある温度(たとえば塩分10で1.9℃)で最大密度となるので、表面から底までが結氷点より高い温度で対流が終わり、安定する。さらに表面が冷やされると、表面の水は密度を減じ、下の水より軽くなり沈まなくなる。そのために表面の薄い層は急速に結氷温度に下がって、表面から底に向かって結氷が進行する。
 塩分が24.7より高い水は、結氷点より低いある温度(たとえば塩分33で零下3.1℃)で最大密度となる。したがって、最大密度の温度に下がる前に、対流によって全層が結氷温度になれば結氷が始まる。この場合も表面から凍るが、適当な刺激があれば海の中でも氷ができて浮かび上がってくる。海氷は塩分濃度の低い浅い海ほど、また冷却の大きい波の荒い海ほどできやすいことになる。[赤川正臣]

海氷の発達

海が凍る場合、最初、表面数センチメートルの層に晶氷(しょうひょう)という氷の結晶が生ずる。晶氷は集まって海面はスープ状(グリースアイス、氷泥)となり、風や波で海綿状に集合する(スポンジ氷)。この発達過程のものを新成氷と総称する。寒気がさらに加わると厚さを増しニラス(弾力のある固い氷)や氷殻となる。風や波で割れてぶつかり、縁がめくれ上がって、ハスの葉のような形になったものをハス葉氷(はごおり)という。氷が厚くなって厚さが10~30センチメートルのものを板状軟氷(ばんじょうなんぴょう)とよび、さらに発達したものを一年氷(ごおり)という。夏も融(と)けずに二冬(ふたふゆ)を経過したものは二年氷といい、二年氷以上のものを多年氷と総称している。海氷の大きさについては、氷盤(直径20メートル以上)、板氷(いたごおり)(20メートル以下)、砕け氷(2メートル以下)などに分類される。
 漂流している海氷を流氷というが、その規模によって流氷野、流氷原、流氷帯などに分けられる。氷塊が圧迫を受けて重なり盛り上がったものを氷丘、それが連なったものを氷脈という。氷は融けると表面にパドルという水たまりができる。海氷のなかにはブラインという濃い塩水が閉じ込められているので、すきまのない淡水の氷に比べると弱く、強度は淡水氷の約3分の1ぐらいである。海氷の強度は海氷の塩分量が多く、温度が高いほど弱くなる。[赤川正臣]

海氷のみられる海域

南極海、北極海およびその周辺が大部分であるが、アジアではベーリング海、オホーツク海、北海道沿海、日本海北部、ロシアでは沿海地方沿岸、中国では渤海(ぼっかい)周辺、北アメリカではグリーンランド周辺海湾、ハドソン湾、セント・ローレンス湾、ヨーロッパではバルト海、ボスニア湾、フィンランド湾などである。地球上の海氷域の総面積は約4000万平方キロメートルと推算されるが、これは全地球表面の約8%、全海面の約11%に相当する。北極海では、冬はその海域の約85%(約1200万平方キロメートル)が海氷に覆われ、その75%は中央部の多年氷である。したがって北極海の夏の海氷域は64%である。南極海の海氷域は大部分が一年氷で、冬から夏の間で約2000万平方キロメートルから約350万平方キロメートルへと大規模に変化する。オホーツク海は最盛期にはその約80%が海氷域となる。[赤川正臣]

海氷の影響

海氷は船舶の航行にとっては危険な障害物で、流氷による航行阻害、船体破損あるいは沈没などの海難事故も発生する。また、沿岸に押し寄せて港湾をふさいだり、漁業施設、海藻などに被害を与えることがある。海氷地域の国にとっては、海氷の動向、消長のいかんは産業経済、民生にも大きな影響を及ぼす。海氷は地球上の大冷源であるので、海氷の分布や氷量の変化は、海氷と大気と海洋との間の熱や運動のエネルギーの交換に影響を与えて、気象や海況の変化をもたらすことになる。異常気象の頻発、地球温暖化現象などで気候変動が大きな問題になっているが、海氷がどのように影響しているかが今後の研究課題となっている。海氷国では海氷の実況や予報を通報しているが、日本でも北海道の気象官署が海氷予報を実施しており、気象庁や海上保安庁では海氷図や海氷情報の無線模写放送(ファクシミリ放送)やインターネットによる公開を行っている。
 海氷は招かれざる客のようであるが、氷海では漁業活動が制限されるので、魚貝類の資源保護にもなっており、氷塊に含まれる植物プランクトンは海の生物の重要な餌(えさ)となっている。また、流氷は北国の美しい自然現象として、北海道では冬の主要な観光資源でもある。[赤川正臣]
『田畑忠司著「海氷」(増沢譲太郎・蓮沼啓一ほか著『海洋科学基礎講座4 海洋物理』所収・1977・東海大学出版会) ▽田畑忠司著『北海道の自然7 流氷』(1978・北海道新聞社) ▽小口高・神沼克伊・川口貞男・星合孝男編『二つの極――北極・南極からのメッセージ』(1989・丸善) ▽国立極地研究所編『南極の科学8 海洋』(1989・古今書院) ▽青田昌秋著『白い海、凍る海――オホーツク海のふしぎ』(1993・東海大学出版会) ▽小野延雄・石川信敬・新井正・若土正暁・青田昌秋著『基礎雪氷学講座6 雪氷水文現象』(1994・古今書院) ▽福地章著『海洋気象講座』9訂版(2003・成山堂書店)』

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世界大百科事典内の海氷の言及

【南極】より

…南極全域では2700万羽といわれる。エンペラペンギンは57万羽といわれ,主として海氷上に集団営巣地をつくり,冬季に産卵し雛を育てる。飛翔性海鳥類は約40種で,アホウドリ科,ミズナギドリ科,ウミツバメ科,トウゾクカモメ科,カモメ科などに分かれる。…

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