レンジャク(読み)れんじゃく(英語表記)waxwing

翻訳|waxwing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レンジャク」の意味・わかりやすい解説

レンジャク
Bombycillidae; waxwings

スズメ目レンジャク科の鳥の総称キレンジャクヒレンジャク,ヒメレンジャク B. cedrorum の 3種からなる。3種とも外形が似ていて,先のとがった冠羽(→羽冠)をもち,独特の姿をしている。ヒレンジャクは全長約 18cmで,ロシア東部や東アジア北部に生息し,日本には冬鳥(→渡り鳥)として全国各地に渡来する。ヒメレンジャクは色彩がキレンジャクに似ているが,全長 15~18cmで体がやや小さく,北アメリカ中部に繁殖分布し,北アメリカ南部や中央アメリカ,ときには南アメリカまで渡って越冬する。レンジャク類は針葉樹林で繁殖するが,非繁殖期には群れになり,落葉樹疎林,農耕地,公園などでも暮らしている。昆虫類も食べるが,初夏から冬までは漿果(→液果)などの果実が主食で,春は樹液や木の芽などを食べる。和名のレンジャク(連雀)は群れになる鳥という意味でつけられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レンジャク」の意味・わかりやすい解説

レンジャク
れんじゃく / 連雀
waxwing

広義には鳥綱スズメ目レンジャク科、狭義にはそのうちのレンジャク属に含まれる鳥の総称。この科Bombycillidaeの仲間は全長16~24センチメートル。ハイイロレンジャクモドキ属、レンジャクモドキ属、セグロレンジャクモドキ属がメキシコ、グアテマラコスタリカなどに、ミミグロレンジャクモドキ属がイラク、アラビアに、レンジャク属がユーラシアならびに北アメリカに分布し、レンジャク属が3種であるほかは1属1~2種で、計5属8種が知られている。

 レンジャク属Bombycillaには、北アメリカで繁殖し、南アメリカまで渡るヒメレンジャクB. cedrorum、アムール、ウスリー地方で繁殖し、冬には日本など南へ渡るヒレンジャクB. japonica、ユーラシア、北アメリカの北部で繁殖し、冬には南へ渡るキレンジャクB. garrulusの3種がある。この類は、嘴(くちばし)が短く頑丈で、上嘴がわずかに鉤(かぎ)形になっている。体色は茶色で、尾の先の色が鮮やかな黄色や紅色をしている。次列風切(かざきり)の先端に蝋(ろう)のようにみえる小片を有するのが英名の由来である。一方、和名「連雀」は、日本のような越冬地では群れで生活することが多いことに由来する。

[柳澤紀夫]


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