日本大百科全書(ニッポニカ) 「デベネデッティ」の意味・わかりやすい解説
デベネデッティ
でべねでってぃ
Giacomo Debenedetti
(1901―1967)
イタリアの文学者。ビエッラに生まれる。トリノ大学卒業。ファシズム政権下ではP・ゴベッティを核とする知識人グループに加わり、反体制的姿勢を貫いた。ユダヤ系であるために迫害を受けたが、その体験に基づく『一九四三年十月十六日』(1944)は貴重なドキュメントである。文学論においては精神分析学や社会学などを踏まえながら、ヨーロッパ近・現代文学全般にわたって鋭い批評眼を示し、G・パスコリやI・ズベーボに対する評価、M・プルーストやR・ラディゲのイタリアへの紹介など功績は大きい。主著は『評論集』(第一集1929、第二集1945、第三集1959)のほか、死後刊行の『20世紀の小説』(1971)、『20世紀イタリア詩』(1974)など。
[鷲平京子]