ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デメトリオス2世」の意味・わかりやすい解説
デメトリオス2世
デメトリオスにせい
Dēmētrios II Nikatōr
[没]前125. テュロス
セレウコス朝シリアの王 (在位前 145~139,前 129~125) 。デメトリオス1世の子で勝利王 (ニカトール) と呼ばれた。父の戦死後,一時亡命していたが,前 145年にアレクサンドロス・バラスの軍を破り即位。しかし前 139年にパルティア軍の捕虜となり,10年間幽閉された。前 129年に解放されてシリアに帰り,再び王位についたが,その支配権は以前に比べて弱体化した。前 125年にアレクサンドロス・ゼビナスによって地位を追われ,テュロスに逃れたが,そこで殺害された。
デメトリオス2世
デメトリオスにせい
Dēmētrios II
[没]前229
マケドニア王 (在位前 239~229) 。アンチゴノス2世の子。まだ少年の前 263年頃エピルスのアレクサンドロスを倒して勇名をとどろかせたが,前 239~238年アイトリア同盟とアカイアの連合軍と戦って苦戦。エピルスの反乱に苦しみ,北方に侵入したダルダニ族と戦って戦死した。以後マケドニア王国は衰退。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報