デ・レオン(読み)でれおん(英語表記)Daniel DeLeon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デ・レオン」の意味・わかりやすい解説

デ・レオン
De Leon, Daniel

[生]1852.12.14. ベネズエラ,キュラソー
[没]1914.5.11. ニューヨーク
アメリカの社会主義者,労働運動家。オランダ系ユダヤ人 (あるいはスペイン系アメリカ人) の一家に生れ,ドイツ,オランダで教育を受ける。 1872年ニューヨークに渡り,キューバ独立運動の新聞編集に協力。コロンビア大学教職についたが,急進思想のため追放された。 89年社会主義労働党に加入しマルクス主義者となる。マルクス派,ラサール派対立を統一し,雄弁な指導的活動家として活躍したが,教条主義的一面をもったため,人民党や S.ゴンパーズアメリカ労働総同盟などの革新的諸潮流からは孤立した。 1905年社会党の E.デブズらと世界産業労働者同盟 IWW結成に参加。死後レーニンから最高の賛辞を寄せられたといわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「デ・レオン」の意味・わかりやすい解説

デレオン
でれおん
Daniel DeLeon
(1852―1914)

アメリカの社会主義指導者。オランダ領キュラソー島に生まれる。ヨーロッパで学び、ニューヨークにきて、コロンビア大学を卒業、同大学で6年間ラテンアメリカ外交を講じた。1890年社会主義労働党に入り、機関紙『ピープル』を編集し、同党を指導した。労働運動の社会主義的再編成の必要を力説し、AFL(アメリカ労働総同盟)に対抗して95年社会主義職業労働連盟を設立した。この二重組合政策とセクト的な党指導のため、党の分裂を招き、アメリカ社会主義運動の指導権を社会党(1901成立)に譲った。革命的マルクス主義にたつ理論家であったが、サンジカリズムに接近し、1905年にはIWW(世界産業別労働者組合)創設に参加した。

[野村達朗]

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